ら遠ざかってきてしまったのです。古事記が語る「天照大神の岩戸隠れ」は、この史実を伝承してきたものにちがいないのです。神代からの伝承の集大成である古事記には、私たち現代日本人への予言と思われる記述が少なからず含まれています。「天の岩戸開き」もそのひとつです。いえ、そもそも古事記は、この予言ひとつのためこそに記されたものなのかも知れないのです。それほど重要かつ重大なる予言です。若い人は全く知らないでしょうから、その要点だけを簡単に説明します。 「人皇」の時代が長く続いたら、人間社会は対立と争いで乱れに乱れて、 いつか必ず最終的破滅の時代を迎えてしまうだろう。 現実にそうなってきたら、心ある国民みんなであらん限りの知恵と力を出 し合い、岩戸隠れしている天照大神を何としても天の岩戸から連れ出し、 「人皇」を本来あるべき元初どおりの「神皇」にもどすのだ。富岡鉄斎作「天窟神楽図(部分)」〇古事記の重大なる予言6
元のページ ../index.html#7