それぞれ好き勝手にただ何となく生きているだけなのです。衝突し対立するのはあたりまえなのです。いままに、それぞれ自分勝手に思い描いた幸せらしきものをただ何となく追求して生きているだけなのです。ところがまことに残念なことながら、知らないものは求めようがなく、ましてや入手することなど絶対に不可能なのです。これら二つの答えさえ見つければ、環境問題は完全解決できるにちがいないと確信したからです。私は早速その答えを求めて、先聖や先哲たちの足跡をそれこそしらみつぶしに調べてゆきました。それは絶対に、その中に埋もれているはずだと考えたからです。忘れての大捜索は、完全に徒労に終わってしまったのです。古今東西にわたる膨大な人類の歴史の中に、その答えは用意されてはいなかったのです。また、「幸せとは何ぞや」についても全く同様でした。人々は、その答えを知らな私は「やったあ」と小踊りして喜びました。これで何とかなると思ったからです。しかしながら、結果はまことに無残でした。足かけ五年にも及ぶ文字どおり寝食を 24
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