も「開発の波」が容赦なく押し寄せ始めたのです。高速道路・ゴルフ場・空港・宅地造成・ほ場整備・工業団地・林道・河川改修・高圧送電線などなどと、数えあげればきりがないほどにです。のが山野草です。また、そのほとんどが群生する特性を持っています。「今年もさぞかし」そんな期待に胸をわくわくさせながら訪ねて行った楽園が、跡形もなく消えてなくなってしまっているのです。ブルドーザーやショベルカーが、わがもの顔で走り回っているのです。そして息をのんで立ち尽くす私の目の前で、ためらう様子など微じんも見せずに次々と新たな犠牲者が生み出されてゆくのです。りを懸命にこらえながら、ただただ謝るばかりでした。「申しわけない。許してくれ」とです。いえ、ことば以前に情の限りを尽くしてです。の心の耳に、彼らのこんな悲痛な声なき声が聞こえ始めたのです。それはそれは哀しい光景でした。年々歳々同じころ同じ場所に同じように見られるしかし、非力な私にはどうすることもできません。あふれる涙と言いようのない怒ところが、悲劇はどんどんエスカレートしてゆくばかりでした。そしていつしか私第一章 今なぜ真実なのか 21
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