えていました。父から受け継いだ家内工業的小商売が、質・量ともに急激に変化し始めたのです。なる安物の袋入り駄菓子が、ていねいに美しく包装された高級な缶入り贈答菓子に生まれ変わったのです。近畿一円とせいぜい中国や四国地方ぐらいまでのスーパーや小売店相手のしがない卸売り商売が、一躍日本全国無数の最終需要者相手の華やかな直売り商売に切りかわったのです。と大変な賞賛の渦の中で驚くほどスムーズに行われたのです。い会社に、わが家の古い屋号にちなんで播磨屋本店という名前を付けてやりました。またそのシンボルマークには、いろいろと思い入れの深い桃印を冠してやりました。話は今から十年余り前、昭和六十年にさかのぼります。私は、人生の一大転機を迎それは、完全に次元ちがいのとんでもない大変化でした。どこにでもあるような単しかもです。そんなめくるめくような大転換が、縁あるすべての人々の非常な喜び私は心底感動させられました。私は生まれたばかりのそのまぶしいような全く新し 197
元のページ ../index.html#201