めからあきらめてしまっているのです。そして不安は、何に限らず疑問の放置から生じてくるものです。疑問を放置したまま前へ進んだのでは、あらゆること、とりわけ将来的なことが次々と分からなくなってくるからです。人間にとって何より最大の不安は、将来の予測がつかないということなのです。た重大問題ばかりです。日常的な雑多な諸問題とは、次元が全く異なるのです。しかも、どれひとつとして解明されてはいないのです。得ないのはあたりまえなのです。そしてそれこそが、現代社会全体を暗雲のようにおおう漠然とした大きな不安の正体なのです。目先の雑ぱくな諸問題に没頭して自分をごまかしつつ生きているのです。ころか逆に、逃れようとしてもがけばもがくほど、ますます大きくふくらんでくるば冒頭の三つの疑問は、そのいずれもが、人間ひとりひとりの「生き死に」に直結し人々が眼前の繁栄や享楽とはうらはらに、重たく沈んだ大きな不安に苦悩せざるを人々は、それから逃れたい一心でしかしその大きな不安は、一向に縮小する気配を見せてはくれないのです。それどもちろん潜在意識としてという意味だが ーー 16
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