の裏にただ一点、致命的なまちがいが潜んでいるのです。「人間」です。その美しい理想が対象とするべき「人間」に、根本的な見誤りがあるのです。るウソ人間対象ではだめなのです。人生の真実にはっきりと目覚めた、ホント人間対象でなければならないのです。ウソ人間、すなわち「エゴ」が対象であるゆえに、いくらきれいごとを並べてみたところで結局、不条理この上もない「多数決」になってしまうのです。美しい理想を掲げながら、一番の要所でそんな不条理な手段に訴えねばならないところが、現行の「民主々義」の哀しい哀しい絶望的自己矛盾なのです。八十度反転してしまいます。「真心」は、全体の調和と幸せをひたすら希求する「神」の心です。互いにぶつかり合い反発し合うことなど、本質的には絶対ないのです。いついかなる場合にも、論議を尽くしさえすれば必ず全員一致となるのです。全員一「人生は、人間同士の優劣競争の場である」などというとんでもない悪夢を見てい「多数決」は、「エゴ」の最大公約数を出すためのいわば苦肉の策です。せっかくところがです。ホント人間、すなわち「真心」を対象にすれば、状況はくるりと百 194
元のページ ../index.html#198