う間にまた大変な勢いで、全く無意味かつ不自然この上もないものへと「発展」してきてしまったのです。その具体的経緯は、おおむね次のようではなかったかと思われます。っと安定して、もっとおいしいものをなどなどとです。続いて、農産物の保管や交易方法が「発展」してゆきました。もっと大量に、もっと長期に、もっと速く、もっと遠くまでなどなどとです。そして、それらすべてが次々と枝葉を派生させていったのです。その結果衣食住すべてにわたる差別化の必要性が生じ、それを守るために法秩序や軍備が「発展」するというぐあいにです。また交易の場の「発展」が都市を生み出し、都市の「発展」が次々と不自然で奇怪な職種や物事を派生させるというふうにです。そんな「エゴ」に、まともに振り回されたらどうなるでしょう。経済は、あっといまず、農業そのものが「発展」してゆきました。もっとたくさん、もっと楽に、も例えば農業の「発展」が地主や小作あるいは奴隷などという身分制度を派生させ、マッチポンプということばがあります。自分でつけた火を自分で消してそこに何ら 142
元のページ ../index.html#146